用語集
ドバイ・アブダビ不動産の専門用語集【2026】
ドバイ・アブダビ不動産投資でよく出てくる専門用語を、72語まとめてやさしく解説します。「〜とは?」をすぐ確認できるよう、カテゴリ別に answer-first(1〜2文)で整理しました。ドバイとアブダビで異なる点も明記しています。
監修:森 和孝(国際弁護士・税理士)/2026年時点の一般的な解説です。
本ページは2026年時点の一般的な解説です。制度・要件(ゴールデンビザの金額、登記費用率、ローンのLTV、各機関の所管範囲等)は変わり得るため、最新かつ個別の点は必ず専門家・当局にご確認ください。
A. 取引・制度・手続きB. 所有形態・投資指標C. デベロッパー(開発会社)D. 文化・暦(取引・手続きに関係する範囲)E. 金融・ローンF. 本人確認・AML(コンプライアンス)G. 法体系・規制H. 通貨・地理・ランドマークI. 日本の税務・国際課税
A. 取引・制度・手続き(15語)
- DLD(ドバイ・ランド・デパートメント)ディーエルディー
- ドバイの不動産を管轄する政府機関。所有権登記(Title Deedの発行)や取引の監督を担います。
- RERA(不動産規制庁)リラ
- DLD傘下の、ドバイの不動産規制機関。ブローカー・開発業者の免許、エスクロー、賃貸ルール等を規制します。→ 仲介会社の選び方
- ADREC(アブダビ不動産センター)エイドレック
- アブダビの不動産を規制する政府機関。ブローカー登録や取引監督などを担います(ドバイのDLD/RERAに相当)。
- Title Deed(タイトルディード)タイトルディード
- 所有権を証する公的な権利証。ドバイではDLDが発行します。
- Oqood(オクード)オクード
- オフプラン物件の売買を、引渡し前にDLDのシステムで暫定登録する仕組み・登録証です。
- Ejari(エジャリ)エジャリ
- ドバイの賃貸借契約をRERA/DLDに登録する制度(アラビア語で「私の賃貸」)。公共料金・ビザ等の手続きに必要です。アブダビでは Tawtheeq が相当します。
- エスクロー口座エスクローこうざ
- オフプラン購入代金を開発業者が自由に使えないよう、政府承認の信託口座で管理する仕組み。買い手を保護します。
- SPA(売買契約書)エスピーエー
- 売主・買主間の売買条件を定める契約書(Sale and Purchase Agreement)です。
- NOC(無異議証明書)エヌオーシー
- 主に転売・名義移転時に開発業者が発行する「異議なし」の証明。これがないと移転が進まないことが多いです。
- 登記費用(Transfer Fee)とうきひよう
- 名義移転時に当局へ納める手数料。ドバイは物件価格の4%が目安/アブダビはフリーホールド2%・リースホールド1%(ADRECへ納付)で、首長国・形態により異なります(目安・要確認)。→ 税務・法務
- サービスチャージサービスチャージ
- 共用部の維持管理に充てる年額費用。平米(sqft)単価×面積で算出します。
- DEWA(ドバイ電力水道局)デワ
- ドバイの電気・水道を供給する公社。入居時に接続手続きが必要です。
- ハンドオーバーハンドオーバー
- 物件の引渡し。最終支払い・鍵の受領・登記等を伴います。
- スネージング(Snagging)スネージング
- 引渡し前の内覧検査で、仕上げ・設備の不具合をリスト化し是正を求めることです。
- ゴールデンビザゴールデンビザ
- UAEの長期(10年)居住ビザ。不動産で取得する場合は概ねAED 200万以上が目安です(要件は変わり得るため要確認)。
B. 所有形態・投資指標(11語)
- フリーホールドフリーホールド
- 外国人も完全な所有権を持てる形態。指定のフリーホールドエリアで可能です。
- リースホールドリースホールド
- 長期(例:99年)の利用権。所有権そのものではありません。
- Musataha(ムサタハ)ムサタハ
- 他人の土地に建物を建て・所有・改変・抵当設定できる権利。期間は最大50年(更新で合計最長100年)で、土地そのものの所有権はありません。アラビア語「Satah(表面)」に由来します。→ アブダビのエリア
- Usufruct(ユースフラクト/用益権)ユースフラクト
- 不動産を利用し収益を得る権利。期間は最大99年で、建物の利用はできますが構造の改変はできず、土地の所有権もありません。
- オフプランオフプラン
- 建設中・未完成の段階で購入する物件。分割払い(ペイメントプラン)が一般的です。→ エリアガイド
- 完成済み(Ready/セカンダリー)かんせいずみ
- 引渡し済み・既存の物件。即入居・即賃貸が可能です。
- PSF/平方フィート単価(Price per Square Foot)ピーエスエフ
- 1平方フィート(約0.093㎡)あたりの価格。エリア比較の基本指標で、UAEではsqft(平方フィート)単位が一般的です。日本で一般的な平米(㎡)単価とは約10.76倍異なる点にご注意ください。
- 表面利回り(Gross Yield)ひょうめんりまわり
- 年間賃料 ÷ 物件価格(経費控除前)で求める利回りです。
- 実質利回り(Net Yield)じっしつりまわり
- 経費(サービスチャージ・管理費等)控除後の利回りです。
- ペイメントプランペイメントプラン
- オフプランの分割支払い計画(建設進捗連動・引渡し時・引渡し後分割など)です。
- CMA(比較市場分析)シーエムエー
- 類似物件の成約・売出価格と比較して対象物件の市場価値を見積もる手法。①サイズ・ゾーン ②エリア・立地 ③特徴・仕様 の3要素で比較します。
C. デベロッパー(開発会社)(12語)
- エマール(Emaar)エマール
- ドバイを代表する大手開発会社(1997年設立)。ダウンタウン、ドバイ・マリーナ、ドバイ・ヒルズ等を開発しています。→ エマール詳細
- ダマック(DAMAC)ダマック
- ドバイの大手民間開発会社。ブランドレジデンス等を展開しています。→ ダマック詳細
- ナキール(Nakheel)ナキール
- パームジュメイラ等の人工島開発で知られる、ドバイの政府系開発会社です。→ ナキール詳細
- ショバ(Sobha)ショバ
- 自社一貫施工を特徴とするドバイの開発会社です。→ ショバ詳細
- エリントン(Ellington)エリントン
- デザイン性を打ち出すドバイの開発会社です。→ エリントン詳細
- ビンガッティ(Binghatti)ビンガッティ
- 独自の建築デザインで知られるドバイの民間開発会社です。→ ビンガッティ詳細
- アジジ(Azizi)アジジ
- ミドル価格帯の大規模供給を手がけるドバイの民間開発会社です。→ アジジ詳細
- ダヌーブ(Danube)ダヌーブ
- 分割払いプランで知られるドバイの民間開発会社です。→ ダヌーブ詳細
- サマナ(Samana)サマナ
- プール付き住戸等の企画で知られるドバイの新興開発会社です。→ サマナ詳細
- メラース(Meraas)メラース
- ライフスタイル複合開発を手がけるドバイの開発会社です。→ メラース詳細
- アルダール(Aldar)アルダール
- アブダビを代表する大手開発会社。ヤス島・サディヤット島・アルリーム島等を開発しています。→ アルダール詳細
- モドン(MODON)モドン
- アブダビの政府系マスター開発会社(フダイリヤット島等)です。→ モドン詳細
D. 文化・暦(取引・手続きに関係する範囲)(4語)
- ラマダン(Ramadan)ラマダン
- イスラム暦の断食月。日中の飲食を控える期間で、官公庁・企業の営業時間が短縮されることが多く、取引・内見のペースに影響することがあります。日付は太陰暦のため毎年約11日ずつ早まります。
- イード(Eid)イード
- ラマダン明けの「イード・アル=フィトル」と犠牲祭「イード・アル=アドハー」の二大祝祭。DLD等の官公庁も休みになるため、手続きには余裕を見ておくとよいです。
- イスラム暦(ヒジュラ暦)イスラムれき
- 太陰暦。ラマダンやイードの時期が毎年ずれる理由です。
- UAEの週末ユーエーイーのしゅうまつ
- 2022年から土日休みに移行しました(旧来は金土)。官公庁・銀行の稼働日に影響します。
E. 金融・ローン(2語)
- モーゲージ(不動産ローン / Mortgage)モーゲージ
- 物件を担保にした融資。UAEでは中央銀行のLTV規制により頭金の最低割合が定められています。完済時にClearance Letterで抵当権を解除し、譲渡可能になります。
- LTV(融資比率 / Loan-to-Value)エルティーブイ
- 物件価値に対する融資の割合で、頭金=100%−LTV。UAE中央銀行が上限を規制します(目安:外国人の初回購入で物件AED 5M以下はLTV80%=頭金20%、5M超は70%、オフプランは50%。UAE国民は5M以下85%等)。要件・比率は変わり得るため要確認です。
F. 本人確認・AML(コンプライアンス)(3語)
- KYC(顧客本人確認 / Know Your Customer)ケーワイシー
- 取引相手の本人確認手続き。パスポートやEmirates ID等で実施し、AML対応の基礎となります。
- AML(マネーロンダリング対策 / Anti-Money Laundering)エーエムエル
- 資金洗浄を防ぐ規制・手続き。UAEの不動産会社はFIU(金融情報機関)への登録(goAMLポータル)、顧客確認(CDD/KYC)、疑わしい取引の報告(STR)、記録の5年保存等が義務です。一定額以上の現金や暗号資産での支払いは追加報告(REAR)の対象になり得ます。
- Emirates ID(エミレーツID)エミレーツアイディー
- UAEの居住者・国民に発行される国民IDカード。各種契約・銀行口座開設・本人確認(KYC)に使われます。
G. 法体系・規制(6語)
- シャリーア(イスラム法 / Sharia Law)シャリーア
- イスラムの法。UAEでは主にムスリムの相続・離婚・身分関係に適用されます。非ムスリムは遺言(DIFC/ADGM Wills等)を登録することで別の準拠を選べます。→ 相続税
- DIFC(ドバイ国際金融センター)ディフク
- ドバイの金融自由区。英国式コモンロー(判例法)に基づく独自の裁判所・法制度を持ち、非ムスリムの遺言登録(DIFC Wills)も可能です。→ DIFCエリア
- ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)エイディージーエム
- アブダビの金融自由区(アルリーム島・アルマリヤ島に適用)。コモンローが適用され、国際仲裁の登録地・非ムスリムの遺言登録先としても使われます。→ アブダビのエリア
- Tawtheeq(タウシーク)タウシーク
- アブダビの賃貸借契約の公式登録システム。ドバイのEjariに相当します。
- MOU(覚書 / Memorandum of Understanding)エムオーユー
- 売買の意思・条件を確認する文書。最終契約ではなく、譲渡日に正式契約で上書きされます。
- POA(委任状 / Power of Attorney)ピーオーエー
- 本人に代わって手続きを行う権限を与える書面。記載された権限の範囲に限られ、発行者の死亡で失効します。
H. 通貨・地理・ランドマーク(4語)
- AED(UAEディルハム)エーイーディー
- UAEの通貨。米ドルに固定(ペッグ)されており(およそ1USD≒3.6725AED)、不動産価格は通常AED建てで表示されます。
- DXB(ドバイ国際空港)ディーエックスビー
- ドバイの主要国際空港。世界有数の旅客数を誇る既存のハブ空港です。
- アル・マクトゥーム国際空港(DWC)アル・マクトゥームこくさいくうこう
- ドバイ南部(Dubai South)の第2空港。大規模拡張が進み、将来の主要ハブとして計画されています。エマールサウス等のエリア価値に関係します。→ エマールサウス
- ブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa)ブルジュ・ハリファ
- ダウンタウン・ドバイにある世界最高層ビル(Emaar開発)。ダウンタウンを象徴するランドマークです。→ ダウンタウン
I. 日本の税務・国際課税(15語)
- UAE法人税(9%)ユーエーイーほうじんぜい
- UAEで2023年から導入された連邦法人税。課税所得のうちAED 37.5万を超える部分に標準税率9%。「ドバイ=無税」は個人の不動産所得など一部の話で、法人の事業所得にはこの法人税がかかり得る。
- 適格フリーゾーン法人(QFZP)てきかくフリーゾーンほうじん
- UAEのフリーゾーンで一定要件(事業実体・適格所得・移転価格文書化など)をすべて満たす法人。適格所得に0%の優遇があるが、要件を欠くと課税期間の初めにさかのぼり優遇を失う。適格所得の範囲は政令で定まり、不動産所得の扱いは一律ではない。
- 中小企業向け救済措置(Small Business Relief)ちゅうしょうきぎょうむけきゅうさいそち
- UAE法人税の移行期特例。年間売上が一定額(AED 300万)以下なら「課税所得なし」を選択でき実質0%にできる。2026年末で終了する期限つき(延長は本稿時点で未公表)。
- 外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制/CFC)がいこくこがいしゃがっさんぜいせい
- 日本の制度。日本居住者が税負担の軽い国に持つ法人の実体が乏しい場合、その利益を本人の所得とみなして日本で課税する。「実体のない海外法人に利益を貯めても日本の税金は消えない」根拠。
- 税務上の居住者・非居住者ぜいむじょうのきょじゅうしゃ・ひきょじゅうしゃ
- 所得税法上どの国の居住者として扱われるかの区分。ビザの維持条件とは別物で、滞在日数だけでなく「生活の本拠がどこにあるか」(家族・仕事・住居など)を総合判断する。
- 管理支配地(意思決定の場所)かんりしはいち
- 法人がどこで実質的な意思決定をしているかという考え方。海外法人の実体判断で重要で、「誰が・どこで投資の意思決定をしているか」が問われる。
- 国外転出時課税(出国税)こくがいてんしゅつじかぜい
- 一定額以上の対象資産(現在は有価証券等が中心)を持つ人が出国(非居住者化)する際、含み益を「売ったものとみなして」課税する制度。海外不動産は対象外。暗号資産は現在対象外だが、制度改正で2028年以降に対象となる見込み。
- 納税猶予制度(出国税)のうぜいゆうよせいど
- 出国税について、納税管理人の選定・担保提供などにより納付を一定期間(原則5年・最長10年)猶予できる制度。期間内に帰国し対象資産を保有し続ければ取り消せる。
- 譲渡所得(長期・短期)じょうとしょとく
- 不動産などの売却益にかかる所得。保有5年超は長期(税率およそ20%)、5年以下は短期(およそ39%)。「5年」は売却した年の1月1日時点で判定する。
- 為替差益かわせさえき
- 外貨建ての資産・取引で為替変動により生じる利益。外貨は持っているだけでは課税されず、円などに換えた(使った)時点で実現して課税対象になり得る。海外不動産では譲渡所得とは別に、外貨を円に換える際にも生じ得る。
- 国外財産調書こくがいざいさんちょうしょ
- 一定額以上の国外財産を持つ居住者が、その内容を税務当局へ報告する書類。海外資産の保有には開示義務が伴う。
- 全世界財産課税(相続税)ぜんせかいざいさんかぜい
- 日本の相続税は、被相続人や相続人が日本に住所を有するなどの場合、世界中の財産が課税対象になるという原則。ドバイ・アブダビの不動産も対象になり得る。
- 時価評価/路線価じかひょうか/ろせんか
- 相続税の評価で、国内不動産は路線価など(実勢より低めになりやすい基準)が使えるが、海外不動産は原則として時価(市場価格)で評価する。そのため海外不動産は評価が重くなりやすい。
- DIFC Wills(DIFCウィル)ディーアイエフシーウィル
- ドバイ国際金融センター(DIFC)が運営する非ムスリム向けの遺言登録制度。UAE内の不動産・動産(法人株式を含む)を1通で全首長国にわたりカバーでき、日本にいながらオンラインで署名・登録が可能。遺言がない場合の承継の不透明さを避ける備え。
- 10年ルール(相続税・贈与税)じゅうねんルール
- 日本国籍の人などが日本を離れても、日本に住所があった期間に関する要件(過去10年以内に日本に住所があったか等)により、一定期間は海外財産も日本の相続税・贈与税の対象になり得るルール。
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